小学校への入学や進級の際に求められる「保護者の願い」。
学校から用紙を渡されたものの、
「いったい何を書けばいいの…?」
と戸惑っている保護者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、保護者の願いの基本的な書き方や注意点に加えて、すぐに使える例文もわかりやすくご紹介します。
想いがしっかり伝わる文章づくりの参考として、ぜひお役立てください。
小学校用「保護者の願い」の基本構成とポイント

ここでは、保護者の願いの基本的な構成と、書く際のポイントをわかりやすく解説します。
① はじめに:子どもへの感謝や学校への期待を伝える
書き出しでは、まずお子さんの成長や日々の学校生活に対する感謝や期待の気持ちを述べると、柔らかく丁寧な印象になります。
「いつも子どもがお世話になっております。楽しく学校に通っている様子を見て、親としても安心しております。」
学校との信頼関係を築く第一歩として、好印象を与える出だしを心がけましょう。
② 中盤:子どもの様子や性格、家庭でのサポート
次に、お子さんの性格や得意・不得意、家庭での様子などを簡潔に伝えます。
特に、先生に知っておいてもらいたいことがある場合は、ここで具体的に書きます。
- 日頃の生活習慣(朝の支度、宿題への姿勢など)
- 勉強や友だづきあいへの姿勢
- 家庭で大切にしていること
「家では読書が好きで、自分から本を手に取るようになりました。一方で、忘れ物が多く、支度には時間がかかってしまうこともあります。」
子どもの良いところと課題をバランスよく伝えると、先生も把握しやすくなります。
③ 最後に:学校への協力姿勢と願いをまとめる
最後は、学校や先生への協力姿勢と、これからの学校生活での希望・願いを簡潔にまとめます。
「今後も家庭でできる範囲でサポートしてまいりますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします。」
このように、保護者と学校が一緒に子どもの成長を見守っていく姿勢を示すことで、好印象につながります。
④ 全体の文章量と文体のポイント
長すぎず、短すぎず、5~10行程度が読みやすい分量です。
また、文体は「です・ます調」で丁寧にまとめましょう。
箇条書きは避け、文章として自然に流れる形が望ましいです。
【小学校・場面別】すぐに使える「保護者の願い」例文集

ここでは、よくあるシーンごとに使える例文をいくつかご紹介します。
例文を参考にしながら自分のお子さんに合う形にアレンジしてみてください。
例文①:【入学時】新1年生の保護者向け
例文②:【進級・新学年】新しい先生への挨拶
例文③:【個人面談前】先生との対話を深めたいとき
例文④:【支援が必要な子ども】配慮や理解をお願いしたい場合
【小学校用】保護者の願いを書く時のマナーと注意点

ここでは、保護者の願いを書く際に気をつけたいマナーと、失敗しやすいポイントをわかりやすくご紹介します。
① ポジティブな表現を心がける
先生に伝えたいことがある場合でも、
- 「できていない」
- 「困っている」
といった否定的な言葉ばかりにならないようにしましょう。
たとえば、
「落ち着きがない」
ではなく、
「好奇心が旺盛で、さまざまなことに興味を持っています」
といった前向きな表現に言い換えることができます。
先生は、家庭からの言葉を通して子どもを知る大切な手がかりを得ます。
だからこそ、良い面も含めてバランスよく伝えるよう意識しましょう。
② 「お願い」と「要望」を混同しない
「保護者の願い」はあくまで「先生に知っておいてほしいこと」「家庭の思い」を伝える場です。
学校の対応を強く求めるような表現(=要望)になりすぎないよう注意が必要です。
「不安なときには声をかけていただけると、落ち着きやすいようです。可能な範囲で見守っていただけるとありがたいです」
丁寧な言い回しにすることで、先生も前向きに受け取りやすくなります。
③ 事実と感情を分けて書く
「心配」「不安」といった感情を伝えることも大切ではあります。
しかし、それだけで終わってしまうと、読み手にとっては具体性に欠けてしまいます。
そのため、感情に加えて、
- 実際にあった行動
- 家庭での様子
など、具体的な事実を併せて書くようにしましょう。
「心配している」→「最近、朝になると『学校行きたくない』とつぶやくことが増え、登校前に気分が落ち込む様子が見られます」
事実を交えることで、先生が状況をより正確に理解しやすくなります。
よくある質問(Q&A形式)

ここでは、特によくある2つの質問にお答えします。
Q.「特に希望がない場合はどう書けばいい?」
A. 無理に何かを書く必要はありませんが、「問題なし」だけではなく、前向きな一言を添えるのがおすすめです。
子どもに特別な不安や要望がない場合でも、記入欄が空白のままだと、
「何か伝えたいことがあったのかどうか分からない」
と、先生が戸惑ってしまう可能性があります。
そこで、「特に希望はありません」と一言伝えるだけでなく、子どもの様子や学校生活への感謝の気持ちなどを軽く添えると丁寧な印象になります。
「おかげさまで、毎日楽しく学校に通っております。特に大きな心配ごとはありませんが、今後ともよろしくお願いいたします。」
「今のところ、特に希望はありません。引き続き、家庭でもしっかりとサポートしてまいりますので、よろしくお願いいたします。」
Q.「手書きとパソコン、どちらが良い?」
A. どちらでも問題ありませんが、「丁寧に書かれているか」が大切なポイントです。
近年では、保護者の記入欄に「パソコンで入力・印刷可」としている学校も増えています。
手書きでなければいけないという決まりがなければ、どちらでも構いません。
ただし、どちらの場合も気をつけたいのは「読みやすさ」と「丁寧さ」です。
- 字の上手・下手は気にしなくてOK
- 丁寧に書かれていることが大事
- 誤字脱字や修正液の多用はできるだけ避ける
- 読みやすくレイアウトを整える(改行、余白、文字サイズ)
- フォントは明朝体やゴシック体など、読みやすいものを選ぶ
- 文末に印刷日や署名欄があるとよりフォーマルな印象に
どちらを選んでも、「この内容をしっかり伝えたい」という気持ちが表れていれば問題ありません。
ご家庭の状況や、書く時間の都合に合わせて使いやすい方法を選びましょう。
まとめ
「保護者の願い」は、先生にお子さんの様子や家庭の思いを伝える大切な機会です。
構成を意識しながら、
- 感謝の気持ち
- お子さんの特徴
- 学校への協力姿勢
などを丁寧に書くことで、先生との信頼関係も深まりやすくなります。
特に希望がない場合でも、簡単な一言を添えるだけで温かい印象になりますし、手書き・パソコンどちらでも「丁寧さ」が伝われば問題ありません。
例文を参考にしながら、気負わず「我が子らしさ」が伝わる言葉で書いてみてください。
先生にとっても、保護者の声はとても貴重な情報源です。