生徒会選挙に立候補することになったとき、避けて通れないのが「演説」。
しかし、
- 「何を話せばいいのか分からない…」
- 「みんなの前で話すの、ちょっと不安かも…」
そんなふうに悩んでいる人は、きっと少なくないはずです。
そこでこの記事では、生徒会演説の書き方のコツや実際に使える例文を、高校生にも分かりやすくご紹介します。
会長・副会長に限らず、書記や会計に立候補する人にも使える汎用的な構成と例文を紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
高校生が生徒会選挙で演説する時のポイント(構成とコツ)

生徒会選挙の演説では、「話す内容」だけでなく、「どう話すか」もとても大切です。
どんなにいいことを言っていても、聞いている人に伝わらなければ意味がありません。
ここでは、生徒会演説で特に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
自己紹介は簡潔に
演説の冒頭で自己紹介をするのは基本です。
しかし、だらだら話してしまうと本題のインパクトが弱くなってしまいます。
高校生の生徒会演説では、自己紹介は「名前・学年・立候補の理由」を簡潔に。
でも、印象に残るようにまとめるのがポイントです。
「こんにちは。2年3組の〇〇です。私は、生徒一人ひとりの声をもっと学校運営に反映させたいと思い、生徒会に立候補しました。」
このように、
- 「誰なのか」
- 「なぜ立候補したのか」
がすぐに伝わる言い方にすると、聴衆にしっかり届きます。
時間をかけるべきは「何をするのか」「なぜやるのか」の部分。
自己紹介で時間を使いすぎないようにしましょう。
公約は具体的に
高校の生徒会では、活動の幅が中学校より広くなります。
そのため、
「どんなことを」「どうやって」実現しようとしているのか?
について、より具体的なアイデアが求められます。
例えば、ただ「学校をもっと楽しくしたい」と言うだけでは、内容がふんわりしていて説得力に欠けます。
そこで、次のように実現までの流れがイメージできるような公約にすると、聞く側にもしっかり伝わります。
このように、自分なりに学校の課題や改善点を考え、それに対してどんな方法でアプローチしようとしているのかまで話せると、説得力が一気に増します。
また、「なぜそれをやりたいのか」という理由もそえると、さらに信頼されやすくなります。
熱意をこめて話すことが大事
高校生になると、聞く側の生徒も「言葉の重み」や「本気度」を敏感に感じ取ります。
だからこそ、ただ原稿を読むだけではなく、自分の言葉で話すこと、熱意をこめて話すことが何より大切です。
完璧なスピーチでなくても構いません。
むしろ、多少言い間違えても、「こういう学校にしたい」という気持ちが伝われば、それが一番強い武器になります。
- 自分がどうしてその公約を考えたのか、
- 実際の学校生活で感じた課題
- 「リアルな経験」や「自分自身の言葉」
などを混ぜて話すと説得力が増します。
「去年の文化祭で、準備時間が足りなくてやりたいことができなかった経験があります。だから私は、行事の運営について生徒の意見をもっと取り入れたいと考えました。」
このように、自分の体験や思いをベースに話すことで、聴いている人の心にも届きやすくなります。
役職別|高校生のための生徒会演説例文まとめ

ここでは、会長・副会長・書記・会計の4つの役職別に、高校生向けの演説例文をご紹介します。
それぞれの役割に合った内容になっているので、自分の立候補するポジションに合わせて参考にしてみてください。
もちろん、例文をそのまま使うのではなく、自分の言葉に置きかえて、自分らしくアレンジすることが何より大切です。
会長に立候補する人のための演説例文
皆さんは今の学校生活に、ちょっとした「こうだったらいいのに」と感じる瞬間、ありませんか?
2年B組の○○です。私は、生徒会会長に立候補しました。
僕が立候補を決めたきっかけは、去年の文化祭です。
企画を進める中で「このルール、ちょっと変えられないのかな?」と思ったのに、意見を届ける方法が見つからず、モヤモヤしたまま終わってしまいました。
あのとき、「声を届ける仕組み」があれば、もっと自由に、もっと面白い文化祭ができたかもしれない、そう思いました。
だから僕は、生徒の声がちゃんと届く学校を目指したいです。
具体的には、Googleフォームなどを使って定期的にアンケートを実施し、意見を整理した上で、生徒会として月に一度、先生方と話し合う場を設けたいと考えています。
ただ集めるだけでなく、「どう実現するか」を動かすのが会長の役割だと思っています。
行事をもっと楽しく、ルールをもっと柔軟に、日常を少しずつ変えていく。
そのための“ハブ”として、生徒と先生の間に立ち、具体的に動ける会長でありたいと考えています。
最後に、僕は誰かを引っ張るタイプではないかもしれません。
でも、声を聞いて、考えて、動くことには本気です。
皆さんの「こうだったらいいのに」を、いっしょに形にしていきましょう。
応援、よろしくお願いします。
副会長に立候補する人のための演説例文
こんにちは。2年A組の○○です。私は今回、副会長に立候補しました。
副会長って、正直ちょっと地味な役職かもしれません。
でも私は、そういうポジションだからこそできることがあると感じています。
昨年、生徒会の活動に少し関わらせてもらう機会がありました。
その中で感じたのは、「アイデアを出す人」と「それを形にする人」の両方が必要だということです。
例えば、意見が集まってもそれをうまく整理できなかったり、会議で話がまとまらないまま終わってしまったりすることもありました。
私はそういう場面で、意見をつなげたり、実現の手順を一緒に考えたりするのが得意です。
だからこそ、副会長として、会長や生徒会メンバーが動きやすいように調整しながら、現実的に物事を前に進める役割を担いたいと考えました。
具体的には、行事や提案の進行状況を見える化する仕組みを作り、役割分担やスケジュール管理をサポートしていきたいです。
また、クラスや学年を超えて「つなぎ役」として、さまざまな意見を調整しながら動ける存在を目指します。
副会長は、目立つポジションではないかもしれません。
でも、「全体の流れを見て、動くべきときに確実に動く」そんな存在でありたいと思っています。
縁の下から支える力、行動で信頼される副会長になることをここで約束します。
応援、よろしくお願いします。
書記に立候補する人のための演説例文
こんにちは。1年C組の○○です。私は今回、生徒会の書記に立候補しました。
書記という役職は、派手さはありませんが、会議や活動の土台を支えるとても大事な役割です。
記録を残す、議事内容を整理する、伝えるべき情報を正確に共有する。
そんな基本的なことの積み重ねが、生徒会の活動をスムーズに進める力になると私は思っています。
私がこの役職に向いていると感じたのは、日頃から「正確に伝える」ことを大事にしてきたからです。
授業のノートをまとめるのが得意だったり、グループ活動で発言をまとめたりすることもよくあります。
それに、誰かの意見をきちんと聞いて、まとめる作業が好きです。
書記としては、会議内容をその場で記録するだけでなく、話の流れや決定事項を整理して“あとから見てもわかる形”で残すことを目指します。
また、必要に応じて議事録をクラス単位で共有できる仕組みづくりにも取り組みたいと考えています。
表に立つタイプではありませんが、私は「見えにくいところを丁寧に支える」ことにやりがいを感じます。
書記という役職を通じて、生徒会全体が安心して動けるよう、裏方から全力でサポートしたいと思っています。
どうか、私にこの役目を任せてください。
応援よろしくお願いします。
会計に立候補する人のための演説例文
こんにちは。2年D組の山本晴翔です。
私は今回、生徒会会計に立候補しました。
会計は、お金を扱うという責任ある立場です。
それだけに、「信用されること」「正確であること」が何よりも大切だと思っています。
だからこそ、派手なことはできなくても、地道にしっかり取り組めるタイプの自分に向いていると思い、立候補を決めました。
これまで僕は、クラスの係活動や部活動の備品管理など、細かい作業や集計をまかされることが多くありました。
数字を扱うことが好きで、細かい確認や記録を面倒に感じない性格です。
それに、何かを決めるとき、みんなに納得してもらえる形にしたいといつも思っています。
生徒会会計としては、限られた予算の中で公平に資金を使えるよう、支出の透明性を高めたいと考えています。
具体的には、予算の使い道をグラフや表で見える形にまとめて、クラスや学年ごとにも共有できるような資料をつくりたいと思っています。
「お金」は、見えづらい分、不安になりやすい部分でもあります。
だからこそ、誰が見ても安心できるように「見える会計」にこだわりたいと考えています。
大きな声で引っ張るタイプではありませんが、正確に、誠実に、信頼される仕事をすることには自信があります。
皆さんの学校生活が、もっと充実したものになるよう、裏からしっかり支えていきます。
応援よろしくお願いします。
生徒会選挙の演説で高校生がやりがちな失敗3選とその対策

高校生が生徒会選挙に立候補する際には、しっかりと考え抜いた内容を用意していることが多いです。
ですが、良い内容でも“伝え方”に問題があると、相手にうまく届かないことがあります。
ここでは、高校生にありがちな演説の失敗パターンと、それをどう改善すればより伝わりやすくなるかを解説します。
共感を狙いすぎて主張があいまいになる
演説では、
- 「みんなに好かれたい」
- 「否定されたくない」
という気持ちから、無難で共感されやすそうな表現を選んでしまいがちです。
しかし、それだけでは「何がしたいのか」が見えづらく、印象に残らない演説になってしまいます。
「皆さんの声を聞いて、みんなが過ごしやすい学校を作っていきたいです
「皆さんの声をきちんと形にするため、生徒からの意見をまとめて定期的に学校側へ提案する“意見提出制度”を導入したいと考えています。」
経験アピールが一方的になっている
自分の経験を伝えることは大事ですが、それを“自分がすごい”という方向で話してしまうと、共感を得にくくなります。
経験を紹介する際は、「それをどう活かすのか」に重きを置くことがポイントです。
「私はクラスでも学級委員をしていて、意見をまとめるのが得意です
「学級委員を経験した中で、クラスの意見をまとめたり、トラブルの間に入って調整した経験があります。そういった経験を生徒会でも活かしたいと思っています。」
原稿を読むだけで気持ちが伝わらない
緊張すると、つい原稿をただ読み上げてしまいがちになるかもしれません。
しかし、それでは話している人の「想い」や「熱意」が伝わりにくくなります。
聞き手の顔を見たり、言葉に感情をのせるだけでも印象は大きく変わります。
目線を下に落としたまま、抑揚なく淡々と話す。
まとめ
今回は、高校生向けに生徒会演説の書き方のコツや実際に使える例文をご紹介しました。
生徒会の演説では、役職ごとの役割を意識しつつ、自分の言葉でしっかり伝えることが一番大切です。
この記事の例文はあくまで参考です。
ぜひ自分の経験や思いを取り入れて、あなたらしい演説にアレンジしてみてください。
そして、声に出して練習することも忘れずに。
しっかり準備すれば、自信を持って本番にのぞめます。
あなたの演説が、聞く人の心に届きますよう応援しています!