保育園の一大イベントである「お遊戯会」。
1歳児クラスを担当している先生の中には、
「子どもたちの紹介コメント、どんな言葉でまとめたらいいんだろう…」
と悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
そこで本記事では、1歳児クラスのお遊戯会で使える紹介コメントの書き方と例文をご紹介します。
子どもたちの成長を温かく伝えるコメントづくりのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
1歳児のお遊戯会の紹介コメントを書く時のコツ

ここでは、1歳児クラスならではのコメント作りのコツを紹介します。
1歳児の発達段階に合った表現を選ぶ
1歳児は、まだ「みんなでそろえて完璧に踊る」年齢ではありません。
そのため、紹介コメントでは、その子なりに見せてくれた姿を肯定的に書くようにしましょう。
例えば、次のような表現が使えます。
「途中で泣いてしまう姿もありましたが、先生に抱っこされながらも音楽をじっと聞いている様子が見られました。」
「ステージの上に立つのはドキドキでしたが、お友だちの様子を見ながら少しずつ前に出る姿もありました。」
このように、“その年齢らしい姿” として書いてあげると、保護者も受け止めやすくなります。
保護者が気になるポイントを押さえる
保護者が知りたいことは、大きく分けて以下2つがあります。
- 「本番はどんな様子だったのか」
- 「このお遊戯会でどんな成長が見られたのか」
なので、紹介コメントを書くときは、
- 本番の子どもたちの表情や動き
- 練習の頃と比べて感じた成長
この2点に触れるように意識してみてください。
長い文章にする必要はありません。
短い一文でも、先生が感じたことを添えるだけで、子どもたちの成長が伝わるコメントになります。
練習中のエピソードを一文だけ添える
紹介コメントには、本番に至るまでの過程も入っていると、あたたかい文章になります。
とはいえ、長々と書く必要はありません。
練習中の印象的なエピソードを “一文だけ” 添えるイメージで十分です。
たとえば、次のような感じです。
「練習の合間には、友だち同士で手をつなぎながら並ぶことも楽しんでいました。」
「先生のまねっこが大好きで、『もう一回!』と何度も踊りたがる姿が練習中によく見られました。」
このようなエピソードが一文入るだけでも、子どもたちの成長や雰囲気が伝わりやすくなりますよ。
1歳児クラスのお遊戯会紹介コメント例文集

ここからは、1歳児クラスでよく見られる演目3つの例文をご紹介します。
当日の子どもたちの姿や練習の様子に合わせて、必要に応じてアレンジしてお使いください。
ダンス・リズムあそび系のコメント例
音楽に合わせて体を動かすことが、少しずつ楽しくなってきた子どもたち。
最初のころは、曲がかかっても固まってしまったり、じっと先生の顔を見つめていたりする姿もありました。
それでも回を重ねるごとに、自分なりに手を振ったり、足をトントンと踏み鳴らしたりと、表現する姿が少しずつ増えてきました。
本番では、立つだけで精一杯な子もいれば、笑顔で体をゆらす子もいて、まさに“今の○○組らしい”ダンスになったと思います。
手遊び・歌あそびのコメント例
日ごろから親しんでいる手遊び「〇〇」を、ステージでも行いました。
はじめは少し緊張した様子の子もいましたが、先生の動きを見ながら、自分のペースで指を動かす姿が見られました。
練習中は、歌のはじまりを耳にするとすぐに手を出してまねっこするような、楽しそうな場面もたくさんありました。
ステージの上でも、いつものように安心して参加できるよう、先生たちもすぐそばで見守っていました。
短い時間の中に、子どもたちの「できるようになったこと」がたくさんつまった発表になりました。
簡単な楽器あそびのコメント例
はじめての楽器あそびとして、マラカスとスズを使った演奏に挑戦しました。
手に持った瞬間の「音が出る!」という驚きや喜びの表情が、とても印象的でした。
思いきり音を鳴らす子、じっと耳を澄ませて他の音を聞いていた子、それぞれの関わり方がありました。
練習では、「ここで鳴らすよ」「いったん止めるよ」の声かけにも、少しずつ反応が見られるようになりました。
本番は、先生と一緒に、いつもどおりの雰囲気で楽しめた時間になったと思います。
1歳児らしさが伝わるフレーズ集

ここでは、1歳児ならではの姿が伝わりやすいフレーズをまとめてみました。
クラスの様子に合わせて少し言い換えて使ってみてください。
表情や気持ちが伝わるフレーズ
- 「音楽が流れると、うれしそうな表情を見せていました。」
- 「少し緊張した顔をしながらも、自分なりに参加していました。」
- 「保護者の方を見つけると、安心したように笑顔になっていました。」
- 「名前を呼ばれると、はにかんだ笑顔を見せていました。」
- 「終わったあと、ほっとした表情で先生に抱きつく姿が見られました。」
体の動きや参加の様子が伝わるフレーズ
- 「音楽に合わせて、体を揺らしたり手をたたいたりしていました。」
- 「先生のまねをしながら、少しずつ体を大きく動かせるようになってきました。」
- 「ドキドキしながらも、自分のペースで前に出ようとする様子がありました。」
- 「立つことが難しい場面では、先生に抱っこされながら参加していました。」
- 「ステージの上から客席をじっと見て、いつもと違う雰囲気を感じている様子でした。」
友だちとの関わりが伝わるフレーズ
- 「お友だちと手をつなぎながら並ぶ姿が見られました。」
- 「お友だちの動きをよく見て、まねをしようとしていました。」
- 「隣のお友だちの顔をのぞき込み、笑い合う場面がありました。」
- 「不安なときは、お友だちのそばに行って安心する様子が見られました。」
- 「終わったあと、『いっしょにやったね』というように、お友だちの手を握る姿がありました。」
成長や変化が伝わるフレーズ
- 「練習の頃に比べると、前に出て体を動かすことを楽しめるようになってきました。」
- 「最初は先生の後ろに隠れることが多かったですが、自分から動こうとする姿が増えてきました。」
- 「音楽が聞こえると、自分から体を揺らす姿が見られるようになってきました。」
- 「みんなの前に立つ経験を通して、表情が少しずついきいきとしてきました。」
- 「少しずつですが、自分の場所に立って待つこともできるようになってきました。」
1歳児クラスのお遊戯会を紹介するコメントまとめ
1歳児のお遊戯会では、上手にやることが目的ではありません。
その子なりに楽しむ姿、表現する姿が一番の見どころです。
そのため、紹介コメントも、
- 本番の様子(表情・しぐさ)
- 練習中のエピソード
- その子らしい参加のしかた
などを、やさしい言葉で一文ずつ丁寧に伝えるだけで、十分に保護者の心に届きます。
子どもたちの姿が自然に思い浮かぶような、あたたかいコメントづくりに、この記事が少しでも役立てばうれしいです。