高校の卒業式で述べられる「保護者代表謝辞」。
子どもの門出にふさわしい言葉で伝えたいと考える保護者の方も多いと思われますが、
「どんな内容を話せばいいのか分からない…。」
と悩んでいる方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、高校卒業式の保護者代表謝辞の基本の構成と、参考にしやすい例文をご紹介します。
大切な卒業式を、安心して迎えるための一つのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
高校卒業式の保護者代表謝辞|基本の構成

保護者代表謝辞は、特別なことを言わなければいけないわけではありません。
基本の流れをおさえておけば、あとはご自身の言葉を少し足していくだけで、十分心のこもった内容になります。
ここでは、次の5つの流れで考えていきます。
- 冒頭のあいさつ・お祝いの言葉
- 学校・先生方への感謝
- 高校生活の振り返りと生徒の成長
- 保護者としての思い・卒業生へのエール
- 締めのことば
それぞれ、どんなことを書けばよいのか、保護者の方にも分かりやすいように説明していきます。
① 冒頭のあいさつ
まずは、式に参加している皆さんへ向けた「ごあいさつ」から始めます。
ここでは、次のような要素を入れると自然です。
- 今日は卒業式という大切な日であること
- 卒業生へのお祝いの言葉
- 来賓や先生方、保護者の皆さんへの一言
たとえば、こんなイメージです。
「本日は、○○高等学校 第○回卒業証書授与式という晴れの日を、皆さまと共に迎えられましたことを、大変うれしく思っております。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。日頃より子どもたちを見守り、ご指導くださいました先生方、並びにご来賓の皆さまに、心より御礼申し上げます。」
ここではまだ、難しいことを言う必要はありません。
- 「今日はおめでたい日ですね」
- 「皆さんありがとうございます」
といった、式全体に向けたご挨拶だと考えると、書きやすくなりますよ。
② 学校・先生方への感謝の言葉
次に、学校や先生方への感謝の気持ちを伝えます。
高校3年間の間、子どもたちは、多くの場面で先生方にお世話になっています。
そのため、
「保護者だけでは支えきれないところを、学校が一緒に支えてくださった」
という気持ちを素直に言葉にしていきましょう。
書くときのポイントは以下のとおりです。
- 「3年間」という時間の長さに触れる
- 勉強・部活動・生活面など、子どもたちの成長の場を用意してくださったことへの感謝
- 保護者として安心して子どもを通わせることができた、という気持ち
たとえば、
「入学当初は不安と期待が入り混じった表情だった子どもたちも、先生方の熱心なご指導と温かいお声がけのおかげで、それぞれに成長することができました。
保護者といたしましても、日々安心して子どもたちを学校へ送り出すことができたのは、先生方のご尽力の賜物と、心より感謝申し上げます。」
といった形です。
「難しい言い回し」にこだわる必要はありません
「お世話になりました、ありがとうございます」を丁寧な言葉で伝えるイメージで大丈夫です。
③ 生徒の成長やエピソード(全体に共通するもの)
ここでは、卒業生の3年間を、少し振り返るパートです。
学年全体に共通するような出来事や、雰囲気を取り上げると、聞いている皆さんが共感しやすくなります。
- 体育祭や文化祭など、全員が関わった行事
- 部活動や委員会活動など、日々の頑張り
- 進路に向けて悩みながら歩んだ様子
たとえば、
「思うように行事ができない年もありましたが、その中でも子どもたちは工夫を重ね、限られた時間を大切に過ごしてまいりました。
友人と励まし合いながら部活動に打ち込んだこと、進路に悩みながらも自分なりの答えを見つけようと努力したことなど、一つひとつの経験が、子どもたちを大きく成長させてくれたと感じております。」
といった形です。
細かい事実を並べるよりも、「どんな3年間だったのか」をふんわりと大きな視点で語ると、まとまりやすくなります。
④ 保護者としての気持ち・これからへの期待
ここは、保護者代表としての気持ちと、これから巣立っていく子どもたちへの応援メッセージを伝える大事なパートです。
- 子どもが少しずつ大人になっていく姿を見てきたこと
- 嬉しさと少しの寂しさが混ざった気持ち
- 見守る立場に変わっていく保護者の心境
- これからの人生には、楽しいことも大変なこともあること
- 高校生活で得た経験や仲間は、一生の支えになること
- 周りの人への感謝を忘れずに、前向きに進んでほしい、という願い
例を挙げてみます。
「子どもたちの背中を見送りながら、私たち保護者も、嬉しさと少しの寂しさを感じております。
それでも、○○高校で過ごした日々と、支え合ってきた仲間との絆が、これからの人生の大きな力になってくれると信じております。
卒業生の皆さんには、自分の歩む道を信じ、周りの人への感謝の気持ちを忘れずに、一歩一歩、自分らしく進んでいってほしいと願っています。」
ここは、
「親として、本当はこう伝えたい」
という素直な気持ちを、少し丁寧な言葉に置き換えるイメージで書くと、心に響く文章になります。
⑤ 締めのことば
最後は、全体を締めくくるパートです。
ここでは、次のような要素を手短にまとめます。
- 学校や先生方への、あらためての感謝
- 学校の今後の発展や、先生方・卒業生の幸せを祈る言葉
- 「保護者代表の謝辞を終えます」という結び
形式的な部分ではありますが、ここをしっかり言うことで、式辞としてきちんとした印象になります。
以下がその例になります。
「結びとなりますが、○○高校の今後ますますのご発展と、先生方のご健勝をお祈り申し上げます。
そして、卒業生の皆さん一人ひとりの前途に、たくさんの幸せが訪れますことを心より願っております。
以上をもちまして、保護者代表の謝辞とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。」
難しく考えず、
- 「これまで本当にありがとうございました」
- 「これからもどうぞよろしくお願いします」
- 「皆さんの幸せをお祈りします」
という3つを丁寧に言う部分、と捉えていただければ大丈夫です。
高校卒業式の保護者代表謝辞の例文集

ここでは、高校の卒業式で使える保護者代表謝辞の例文を、「定番」と「短め」の2パターンご紹介します。
文章中の[○○高等学校]などのかっこ部分は、ご自身の学校名や状況に合わせて言葉を入れ替える目印です。
実際にお使いになる際は、ご自分用にアレンジしたうえでご利用ください。
定番パターン(フォーマル・式典向き)
本日は、[○○高等学校 第○回卒業証書授与式]という晴れの日を、かくも盛大に挙行されますことを、心よりお祝い申し上げます。
ただ今、無事に卒業の日を迎えられました卒業生の皆さん、保護者の皆さま、本日は誠におめでとうございます。
この良き日にあたり、保護者を代表いたしまして、一言ご挨拶申し上げます。
まず初めに、日頃より子どもたちの成長のためにご尽力くださいました[校長先生をはじめ、諸先生方ならびに学校関係者の皆さま]に、心より御礼申し上げます。
入学以来三年間、勉学はもとより、部活動や学校行事、生活指導、進路指導に至るまで、常に温かく、時に厳しくご指導くださいましたおかげで、子どもたちは大きく成長することができました。
保護者といたしましても、日々安心して子どもたちを学校へ送り出すことができましたのは、先生方のお支えの賜物と、深く感謝しております。
三年前、まだあどけなさの残る表情で、この[○○高等学校]の門をくぐった子どもたちは、不安と期待を胸に、新しい生活をスタートさせました。
慣れない環境の中で、勉強に励み、部活動に打ち込み、ときには友人関係や進路について悩みながら、一日一日を積み重ねてまいりました。
その歩みの中で、成功の喜びだけではなく、思うようにいかない経験や、悔しさを味わうこともあったことと思います。
しかし、その一つひとつの経験こそが、子どもたちを精神的にも大きく成長させてくれました。
仲間と励まし合いながら困難を乗り越え、自ら考え行動する力を身につけたことは、これからの人生において、必ず大きな支えとなることでしょう。
私たち保護者は、その姿を少し離れたところから見守ってまいりました。
日々の生活の中では気がつきにくい変化も、ふとした言葉や表情の中に、たくましさや責任感が感じられるようになり、成長の大きさを実感しております。
子どもたちの頑張りを温かく見守り、支えてくださいました先生方、そして良き友人に恵まれましたことに、あらためて感謝申し上げます。
卒業生の皆さん。
本日、皆さんはこの[○○高等学校]を巣立ち、それぞれの道へと歩みを進めていきます。
これから先の人生には、期待に胸ふくらむ出来事だけでなく、思い通りにいかないことや、立ち止まりたくなるような場面もあるかもしれません。
しかし、ここで過ごした三年間で培った力と、多くの方々に支えられてきたという事実を、どうか忘れないでください。
困難に直面したときには、今日の日を、そしてともに学んだ仲間や、ご指導くださった先生方、支えてくれた家族の存在を思い出し、一歩を踏み出す勇気に変えていただきたいと思います。
私たち保護者は、これからも皆さん一人ひとりの人生を、変わらぬ思いで応援し続けてまいります。
結びにあたりまして、[○○高等学校]の今後ますますのご発展と、校長先生をはじめ先生方のご健勝をお祈り申し上げます。
あわせて、卒業生の皆さんの前途に、輝かしい未来と多くのご縁がもたらされますことを、心より願っております。
以上をもちまして、保護者代表の謝辞とさせていただきます。
本日は、誠にありがとうございました。
時間が短い場合の「2~3分の短めバージョン」
本日は、[○○高等学校 第○回卒業証書授与式]という佳き日を、皆さまと共に迎えられましたことを、大変うれしく思っております。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。保護者一同、心よりお祝い申し上げます。
また、日頃より子どもたちをご指導くださいました[校長先生をはじめ、諸先生方、学校関係者の皆さま]に、保護者を代表して厚く御礼申し上げます。
三年間にわたり、勉学はもちろん、部活動や学校行事、進路指導など、さまざまな面でお支えいただきましたおかげで、子どもたちは大きく成長することができました。
振り返れば、入学当初はまだ幼さの残る表情だった子どもたちも、この[○○高校]での日々を通して、多くの経験を重ねてまいりました。
嬉しいことや楽しいことだけでなく、ときには悔しさや不安を抱えることもあったと思います。
それでも、先生方や友人の支えの中で、一つひとつ乗り越えてきたことが、今日の晴れやかな姿につながっているのだと感じております。
卒業生の皆さん。
今日から皆さんは、それぞれの新しい道へと歩み出していきます。
これから先には、思い通りにならないことや、迷い、立ち止まることもあるでしょう。
そんなときには、ここ[○○高校]で過ごした日々や、支えてくれた仲間・先生方・家族のことを思い出し、自分を信じて一歩を踏み出してほしいと思います。
私たち保護者は、これからも皆さんの幸せと成長を、変わらぬ思いで見守り続けてまいります。
結びに、[○○高等学校]の今後ますますのご発展と、先生方のご健勝をお祈り申し上げますとともに、卒業生の皆さん一人ひとりの前途に多くの幸せが訪れますことを、心より願っております。
以上をもちまして、保護者代表の謝辞とさせていただきます。
本日は、誠にありがとうございました。
高校卒業式の保護者代表謝辞に関するまとめ
高校の卒業式で読む保護者代表謝辞は、特別な文章を書く必要はありません。
この記事でお伝えしたように、
- 冒頭のあいさつ・お祝いの言葉
- 学校や先生への感謝
- 高校生活の振り返りと子どもたちの成長
- 保護者としての思いと卒業生へのエール
- 最後の締めの言葉
という基本の流れに沿っていけば、自然ときちんとした謝辞になります。
大切なのは、保護者としての感謝の気持ちと、子どもたちへの応援の思いが伝わることです。
この記事を参考にしながら、無理のない形で「あなたらしい一通の謝辞」を作っていただけたら嬉しいです。